真昼:「一旦、帰ってきますから、私が帰ってくるまでに、着替えておいてください。」
周:「帰ってくるのかよ。」
というと、真昼は隣に帰っていきました。
誰にも知られていませんが、藤宮周と椎名真昼は、お隣さんだったのです。
周:「こんなこと、学校では口が裂けても言えないが、高校に入って一人暮らしを始めた俺の隣は、天使様が住んでいるのだ。」
寝込んだ周が目を覚ますと、真昼が側にいました。
真昼:「食欲ありますか?おかゆを作ってます。いやなら、私が食べますけど。」
この時、周は思いました。
周:「(なんか、周りの男が”可愛い”っていてたの、なんか、わかる気がした。)」
真昼からおかゆを渡された周ですが、それを見て固まっていると、
真昼:「なんですか?食べさせろというんですか?そんなサービスは承っていません。」
周:「そんなことは言ってない。いや、料理もできるんだなと。。。」
周:「なあ、なんで雨の中、ブランコ漕いでたんだ?彼氏と喧嘩したとか?」
真昼:「彼氏なんかいません。」
周:「あれだけモテるんだ。彼氏の一人や二人。」
真昼:「何人も彼氏を作るような、節度のない人間になったつもりはありません。」
真昼の表情が、怒っていたので、周は素直に謝りますが、この真昼の態度には理由があります。
後で出てきますが、真昼の父親は愛人がいて、ほとんど真昼のことを構ってくれませんでした。実の母親は真昼がいるため離婚できず、真昼を煙たがっています。真昼が大学卒業したら、二人は離婚して、二人とも真昼とはかかわらなくなる予定だったのです。
周:「すまなかった。そういうつもりではなかった。椎名とかかわるのもこれっきりだと思うし。」
真昼:「えっ??」
周:「まさか、俺が恩を着せて、あわよくばと考えているかもと思ってたのか?めんどくさいだろ?お前だって。好きでもない男に構わられるの。」
真昼:「それは、そうですけど。」
周:「やっぱりか。別にいいと思うぞ。天使も人並みにそういうの迷惑なんだって。」
真昼:「やめてください。その呼び方。」
周:「だから、用事もないのに、わざわざ関わることないよ。」
お互いはっきりとした物言いをするのと、周が真昼に興味を持たないことから、真昼は安心したのかもしれません。(^_^)
その夜、周は思います。
周:「明日からは、顔見知りの他人か。」


















